沖縄いきたい
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大阪文化館・天保山(旧サントリー・ミュージアム)でやってたリシェイプド・リアリティ:ハイパーリアリズム彫刻の50年を見てきました。リアリズム彫刻の展覧会です。
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アンディ・ウォーホルもいた。かなり大きいです。
展示されている人体彫刻はどれも実物大かそれよりかなり大きいサイズのものなんですが、自分の顔より遥かに巨大な顔面に対面すると、当然のように生理的恐怖が湧いてくる。でも少し時間がたつと慣れて、安心感や寄りかかりたいような気持ちが湧いてくる。
たぶんこれって幼児期に親みたいな存在に対して感じる気持ちと一緒なんでしょうね。大人になると自分よりずっと大きい顔面に遭遇する機会ってないですし。
自宅での作業に緊張感ほしいから、パソコン机の横にでっかいアンディ・ウォーホルを置いて置きたい気持ちもある。この眼で見つめられると、なんか捗る気がするんだよな…Big Andy is watching you……
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最も顔が薄い角度から見たらこう。
夜道で振り向いてこれだったらこわすぎるぜ。
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ひざ?ひじ?
それにしても人間の皮膚というものの深みはすごい。話はそれるんですが、さいきん『デス・ストランディング2』をプレイしたときにも、前作に比べてさらにキャラクターの肌表現が進化しててびっくらこきました。みんなお肌の血色がよくて、モイスチャーで、ぷるぷるしている。風呂あがり?乳液つけた?という感じ。どうもモデリングの段階で、表皮だけじゃなくて、皮膚の内部に入り込んで散乱した光とかを演算できるようにしてるからのこと。そんなのできるの?高度に発達した科学すぎて自分にはなんにもわかりません。
今回の作品展でみた彫刻も、たぶん表皮だけじゃなくて真皮とか角質の透明層とかも含めて、何層にも支持体に塗り重ねたりしてるから、近くで見ても本当の人間の肌にしか見えない。なにより本物っぽいのに本物じゃないというめまい。不気味の谷に吊り橋をかけて渡りきったら、そのさきに不気味の断崖がありました。みたいな。これはみんなにも実際に観て確かめてほしい。皮膚を見たければ天保山だ。
それにしても、人体彫刻家というものは絵画と違って背景という概念が存在しないがゆえに、とにかくず~~~っと人体のことを考え続けているんだろうけど、ことリアリズム彫刻についてはとくに皮膚のことを考えている時間がとても長いはず……。皮膚のことを考え続ける人生の凄みよ。
逆に、自分が表現とかやるときの絵って、皮膚をあんまりにも捨象してるから、意識に上らないんですよね。とくに白黒のまんがの、こういう絵。
……こういう絵ばかり描いてると皮膚について考えなくなります。別に悪いことではないんだけど。 なんかただ、皮膚に向き合ってなさすぎるな…という反省の気持ちが湧いてきました。
展覧会には他にも面白い作品が盛りだくさんでした。10/13までやってるみたいなので、遠方から万博にお越しの方もついでにぜひ。おすすめです。
そして自分も万博にはまだ行けてない。大阪在住なのに。きょうの夜いきます。今決めました。行ってきます。
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●良かったもの(の一部)
さっきもチラっと触れたけど、デス・ストランディング2 よかったですね
ゲームとして良かった部分はたくさんあるんだけど、そういう調整の問題とは別に、本作、すごくトーンが明るいんですよね。そういう意味で、ポジティブな世界に対する眼差しを感じられたのが一番よかったです。じぶんは個人的に「年を重ねるにつれて明るくて前向きな作風に転じていく作家」がすごく好きで。いや、若い頃からずっとブチ切れ続けてるひともぜんぜん好きですけど。エミネムとか、ラース・フォン・トリアーとか……怒り続けるのもその人にとっての感情の真実だし。
でもなんかそれとは別に、上の世代の人間が暗いトンネルの外に抜け出せたかのように世界に対して肯定的な結論を下しているのを見ると嬉しいじゃないですか。少し前まで「人って基本的に経験を積むほどかしこくなっていくけど、どんどん許せないものが増えて、ひねくれて、世界の苦しさばかりを語るようになっていく先細りの生き物」だと思っていた節があるし、なんなら今もかなりそう思っている。
だけどそういうものを否定してくれるような存在があるというのは、いいものですね。けっきょくのところ、だれかに慰められたいし、たしなめられたいのだ。
星野源がショット・ガンをくれる豊かな世界
あとさいきん、犬の散歩コースを変えました。
乗馬クラブの前を通過するようになったので、毎朝、馬に会える。
うれしいったらないね!
おわり。